そこで、ここではMVNOの中でも大手と言われる4社(NTTコミュニケーションズ、IIJ、日本通信、BIGLOBE)を中心に、データ通信専用SIMに限定して、タイプ別(高速・容量制限タイプ、高速・使い放題タイプ、低速・無制限/大容量タイプ、au系格安SIMタイプ)に比較することにします。最後に比較する「mineo」と「UQ mobile」以外は全てNTTドコモ回線を利用している格安SIMです。 ※比較表が画面に収まりきっていない場合、表を横にスワイプ(スクロール)できます。特にスマホからの閲覧だと、ほとんどの表でスワイプする必要があるはずです。 「そもそもSIMカードや格安SIM、MVNOといった言葉の意味が分からない」といった読者は、以下の記事を参考にしてみてください。 格安SIMカード 超入門ガイド

【タイプ1】高速・容量制限タイプ

まずは、通信速度に制限がなく下り最大150Mbpsで通信でき、かつ、容量が日次・月次で決まっているタイプの格安SIMを比較します。ここでは、大手4社のプランに限定して、容量ごとにさらに3タイプに分けて比べてみました。 なお、IP電話対応SIMとして発売されているものは除外してあります。

高速・小容量(1~2GB)タイプ

高速・中容量(3~5GB)タイプ

高速・大容量(7GB以上)タイプ

ポイント

見比べてみると、月額料金や制限解除料金、速度切り替え機能の有無、公衆無線LANの有無などでどの点を重視するかによって甲乙つけがたい印象を受けます。

料金

日本通信のb-mobile X SIMシリーズだけは、料金面で他3社に遅れを取っている状況です。2014年秋にOCNモバイルONE、IIJmio、BIGLOBE LTE・3Gは容量を増量しましたが、2014年12月現在では日本通信は容量を変更していません。そして容量変更ではなく、高速・使い放題系のサービス「b-mobile SIM 高速定額」を投入してきています。

日次プランと月次プラン

容量を1日ごとに制限する日次プランと1か月ごとに制限する月次プランのどちらを選べばいいのかについては、スマホの日頃の使い方を見返してみると良いでしょう。毎日のデータ通信量にあまり波がなければ日次プランの方がお得ですし、日によってデータ通信量の差が大きければ月次プランの方が無難です。

ターボ機能

高速通信と低速通信をアプリなどからいつでも切り替えられることでデータ通信量を節約できるのがターボ機能。大手4社でこの機能を利用できるのは、OCNモバイルONEとIIJmioです。 一方、b-mobileには、データ容量を使い切ったときに高速通信容量を追加チャージした上で高速通信をオン・オフできるようになるTurbo Charge機能があります。 両者の違いは、高速通信のオン・オフ機能が使えるようになるタイミング。OCNモバイルONEとIIJmioは高速通信のデータ容量を使い切る前に高速通信をオフにして容量を節約可能なので、切り替えの手間を厭わない人には嬉しい機能です。

バースト機能

また、IIJmioには低速時のバースト機能があり、高速通信を使い切った後でもネット接続時の最初の数秒間は速度制限をかけません。2014年12月17日にMVNO事業を開始したDMM mobileもバースト機能を利用できます。

公衆無線LAN

この4社の中では、BIGLOBE LTE・3Gだけが公衆無線LAN(Wi2 300)を無料で使えます。外出時にWi-Fiを使うことでデータ容量を無駄使いせずに済みます。 OCNモバイルONEも今後、公衆無線LANサービスを提供する予定です。 ※ビックカメラが販売している格安SIM「BIC SIM」はIIJmioのサービスをベースにしており、公衆無線LANサービス「Wi2 300」を無料で利用可能です。

【タイプ2】高速・使い放題タイプ

最大通信速度に制限を設けず、かつ、高速通信時の容量も使い放題というタイプが出ています。U-NEXT「U-mobile データ専用 LTE使い放題」と日本通信「b-mobile SIM 高速定額」です。 NTTぷらら「ぷららモバイルLTE 定額無制限プラン」も3Mbpsの通信速度で使い放題となっており、似たタイプの格安SIMとなっています。

ポイント

このタイプで気になるのは、実際に速度はどれくらい出せるのかという点。事前に評判を確かめておくことをおすすめします。

【タイプ3】低速・無制限/大容量タイプ

「とにかく料金を節約したい」という人は、低速で容量無制限のいわゆるワンコインSIMが狙い目です。 — 日本通信b-mobile公式 (@bmobile_jci) 2014, 12月 9 500円前後で利用できる最安値SIM。DTI「ServersMan SIM LTE」とヨドバシカメラで買えるワイヤレスゲート「WIRELESS GATE 480円プラン」はワンコインSIMと呼ばれています。 アクセリア「ポインティ 通話300」は、独自VoIPアプリによるIP通話が可能なデータ通信SIM。通話によってポイントが貯まり、金券などに交換できる制度が特徴的。 OCNモバイルONEの7GB/月プランは、容量が無制限ではないものの、通信速度は上記3つより速い最大500kbps。月額料金は少し高めに設定されています。

ポイント

低速度で我慢できるかどうかがポイントです。メール送受信やLINEのトーク程度ならほとんどストレスなく利用できますが、Webサイトの閲覧は少し厳し目になり、動画視聴やアプリのダウンロードなどは諦めた方がいい遅さだからです。 Wi-Fiをうまく活用することが重要でしょう。

【タイプ4】au系格安SIMタイプ

ここまでNTTドコモの回線を利用した格安SIMを比較してきましたが、2014年はau回線を利用したmineoとUQ mobileが登場しました。ドコモ系格安SIMとは利用できる端末が大きく異なることや、まだau系MVNOが少ないことから、ドコモ系格安SIMとは分けて別タイプとして比較することにしました。表に掲載しているのは、ここまでと同じくデータ通信専用SIMだけです。

mineo/UQ mobile

ポイント

mineoは、iOS 8にアップデートされたiOS端末では利用できません。今後、利用できるようになる見込みは立っておらず、厳しい状況のようです。

比較したMVNOの公式ページリンク

OCNモバイルONE(NTTコミュニケーションズ) IIJmio(IIJ) b-mobile(日本通信) BIGLOBE LTE・3G(BIGLOBE) U-mobile(U-NEXT) ぷららモバイルLTE(NTTぷらら) ServersMan SIM LTE(DTI) ポインティ(アクセリア) WIRELESS GATE Wi-Fi+LTE(ワイヤレスゲート) mineo(ケイ・オプティコム) UQ mobile(KDDIバリューイネイブラー)