LINE(ライン)には、無料通話とは別に「LINE Out(ラインアウト)」と呼ばれるIP電話機能が組み込まれています。格安で携帯電話や固定電話への通話が可能で、スマホの通話料金を節約したい人に嬉しいサービスです。 本記事では、LINE Outの使い方や料金、コールクレジットのチャージ方法のほか、LINE Outを無料で使う方法など覚えておきたい便利ワザまで紹介しています。

LINE Out(ラインアウト)とは?

まずはじめに、LINE Outとはどんなサービスなのか、どのような仕組みなのかについて紹介します。

固定電話やガラケーと通話できる格安IP電話機能

LINE Out(旧LINE電話)は、パケット通信を利用して固定電話やフィーチャーフォン(ガラケー)などに格安でかけられるIP電話機能です。 LINEには友だちと無料で音声通話できる機能が備わっていますが、LINE Outはそれとはまったく別の機能にです。LINEの無料通話と大きく違うのは、LINEを使っていない相手の携帯電話や固定電話にLINEから電話を発信できるという点と、通話料がかかるという点です。LINEの無料通話で話せない相手に電話をかける機能と考えてもよいでしょう。 一般的なスマホ通話料と比べて格安で(料金の詳細は後述)、国際通話も安価でかけられるほか、面倒な登録なくLINEアプリ内からすぐに使い始められる便利なサービスです。日常で下記のようなケースが少なくないなら、利用を検討すべきでしょう。

LINE Out Free また、LINE Outの無料版「LINE Out Free」なら、動画広告を視聴することを条件に無料で通話できます。通話できる時間は国や電話の種類にもよりますが、日本国内であれば1回あたり携帯電話宛てで2分、固定電話宛てで3分、1日5回まで無料でかけることができます(LINE Out Freeの詳細は後述)。

LINE Outの着信と番号通知の仕組み

LINE Out自体に電話を着信する機能はありません。LINE Outで電話がかかってくると、スマホの「電話」アプリで着信します。 0120 フリーダイヤル/0570 ナビダイヤル/0800 フリーコール/110 警察・緊急通報/117 時報/118 海上保安/119 消防/171 災害伝言ダイヤル/177 天気予報/184 発信者番号通知拒否/186 発信者番号通知 着信先には、発信元のLINEに登録した電話番号や(相手の)アドレス帳に登録された氏名が表示されますが、「非通知設定」または「通知不可能」と表示される場合があります。

これは、相手が契約しているキャリアやその契約内容により「非通知設定」または「通知不可能」と表示されるようですが、具体的な条件は明らかにされていません。 番号が通知される場合でも、機種によっては日本の国番号である「+81」が付いた状態で発信されることがあります。そのままでは、履歴から折り返して電話をかけることができません。「+81」を削除して、先頭に「0」を加える必要があります。 このように、LINE Outを今ある電話に完全に置き換えて利用するのは難しいでしょう。しかし、格安料金であることやお店への無料通話はなかなかの魅力であり、固定電話や海外へ電話することが多いなら非常にお得です。賢く活用すれば、通話料金を節約できます。

LINE Outの通話音質は?

LINE Outで電話をかける時、気になるのは音質です。実際に使った限りでは、普通の電話と同じように会話することができました。 LINEで電話番号認証を済ませていないと、電話番号が非通知となる場合があります。「ホーム」タブの設定ボタン[]→[LINE Out]と進み、[非通知発信解除]と表示されていれば電話番号認証が完了していないことになります。[非通知発信解除]をタップして電話番号を入力し、認証を完了させましょう。 タブレットなどの電話番号がない端末や、SMSが受信できないデータ通信用SIMでは電話番号の認証ができません。 ただし、聴こえづらいと感じるレベルではありませんが、少しこもって聴こえる印象はあります。若干遅延が発生し、相手の反応が一呼吸おいて伝わってくる感覚です。それでも、パケット通信のみで通話するLINE無料通話よりも音質は良いといえるでしょう。 LINE Outはパケット通信と電話回線の両方を使って通話します。そのため、電波の状態が悪いと音質も低下する可能性があります。音質が悪い場合は、電波のつながりやすい場所へ移動するだけで改善されます。

LINE Outの料金とチャージ方法

LINE Outでは2種類のプランを用意しています。1つは使う分だけ前もって料金をチャージしておく「コールクレジット」、そしてもう1つが30日間決められた時間だけ通話できる「30日プラン」です。 日本国内における通話料金と「コールクレジット」「30日プラン」のチャージ・購入方法を解説します。

日本国内における通話料金

日本国内での通話料金は、コールクレジットと30日プランで異なります。自分が30日間でどのくらい通話するのかによって、適したほうを選択するのがよいでしょう。 コールクレジットの通話料金は、固定電話への通話で3円/分、携帯電話への通話で14円/分です。1000円分のコールクレジットで固定電話に333分、携帯電話には71分の通話が可能になる計算です。コールクレジットは120円分(120コールクレジット)から購入できます。 30日プランは、固定電話への通話で2円/分のほか、固定電話と携帯電話への通話が60分可能なプラン(6.5円/分)と120分可能なプラン(6円/分)があります。 スマホの一般的な通話料金が1分40円前後であるのに対し、LINE Outはかなり割安です。月額基本料や初期費用、接続費用などの料金もかからず、発生するのは通話料の請求のみ。そのため、格安SIMを利用しているユーザーや、スマホの通話料金をさらに抑えたいユーザーにメリットが大きいサービスといえます。 なお、LINE Outは国外への発信も可能です。発信先の国・地域によって料金が異なるので、詳細はLINE公式サイトを参照してください。 通話料金一覧 - LINE Out | LINE(ライン)

コールクレジットをチャージ(購入)する

コールクレジットをチャージ(購入)する方法は、大きく分けて以下の2通りがあります。 LINEアプリの設定から購入する場合、手軽に素早く購入できる反面、チャージできるのは240コールクレジットのみに限られてしまいます。 LINEストアを利用すれば、120コールクレジットから6000コールクレジットまで6種類のコースから選択してチャージできます。

LINEアプリの設定から購入する

LINEアプリからコールクレジットをチャージする場合、240コールクレジット(250円)のみチャージできます。

LINEアプリからコールクレジットを購入するには、まず「ホーム」タブの設定ボタン[]→[LINE Out]→[コールクレジットを購入]と進みます。

「クレジット購入」画面で[購入する]→[OK]とタップします。

左:iOS版LINEでの決済画面(検証端末:iPhone XR)右:Android版LINEでの決済画面(検証端末:Pixel 3) iOS版LINEであれば、サイドボタンをダブルクリック(ホームボタンがないiPhoneであれば指紋認証)して支払いを完了させます。Android版LINEであれば、支払い方法を選択して[購入]をタップしてください。

LINEストアから購入する

LINEストアにアクセスすれば、6種類のコールクレジットから選んでチャージできます。 Android版LINEに限り、LINEコインでLINE Outのコールクレジットをチャージできます。iOS版ではLINEコインでのチャージはできません。 LINEコインとは──貯め方や使い道、いくらで購入チャージ・交換できるかなど LINEストア(LINE Out)

LINEストアにアクセスしたら、いずれかのプランを選択し、[都度購入]をタップします([オートリチャージ]の選択も可)。

左:支払い方法を選択右:支払い完了 支払い方法を選択したら[確認]をタップし、画面の指示に従って決済を完了させましょう。 なお、LINEストアでは「オートリチャージ」の購入も可能です。オートリチャージとは、コールクレジット残高が50以下になったときに自動で設定金額をチャージできる機能です。

30日プランを購入する

30日プランは、LINEストアからのみ購入できます。LINEアプリ内で購入することはできません。 LINEストア(LINE Out)

左:[30日プラン]を選択中:プランを選択右:支払い方法を選択 LINEストアにアクセスしたら、[30日プラン]を選択。[固定と携帯 120分][固定と携帯 60分][固定 60分]のいずれかを選択し、[都度購入]をタップします。あとは支払い方法を選択して[購入する]をタップし、画面の指示に従って操作を進めれば決済は完了です。 なお[自動継続]を選択すると、30日プランを都度購入せずに自動で継続してくれます。なお、都度購入、自動継続いずれを選択した場合も通話残高は翌月に繰り越しできないので注意しましょう。

LINE Outの使い方(発信方法)

コールクレジットまたは30日プランをチャージ・購入したら、以下の手順で発信しましょう。

1「通話」画面を開く

まずはじめに、「通話」画面を開きます。

「ホーム」タブの「サービス」横にある[すべて見る]をタップし、サービス一覧から[LINE Out Free]をタップします。

2キーパッドアイコンをタップ

LINE OutまたはLINE Out Freeをよく利用するのであれば、「ニュース」タブを「通話」タブに切り替えると素早く「通話」画面を起動できます。 「ホーム」タブの設定ボタン[]→[通話]→[通話/ニュースタブ表示]と進み、[通話]を選択すると、「ニュース」タブが「通話」タブに切り替わります。 LINEの「ニュース」タブを非表示にする方法、「通話」タブに変更できる 「通話」画面でキーパッドアイコンをタップします。

3「LINE Out」に切り替える

左:画面上部の[LINE Out Free]をタップ右:[LINE Out]を選択 デフォルトでは「LINE Out Free」が選択されています。画面上部の[LINE Out Free]をタップし、[LINE Out]を選択して切り替えます。

4電話番号を入力して発信

左:連絡先に登録されている電話番号を入力すると候補として表示される右:通話画面 ダイヤルパッドに番号を入力して、発信ボタンをタップします。 連絡先に相手が登録されている場合は、表示される候補をタップして電話を発信できます。呼び出しの後、相手が応答すると通話を開始できます。

5通話終了

左:通話履歴が残る中:消費したコールクレジットを確認右:コールクレジットの残高 通話が終了すると、「通話」画面に通話履歴が残ります。 また、設定ボタン[]→[LINE Out]と進み、[使用履歴]で消費したコールクレジットを、[コールクレジット]でコールクレジット残高を確認できます。 LINE通話の履歴を確認・削除する2つの方法

覚えておきたい、LINE Outの便利ワザ

LINE Outをよく利用するなら、ぜひ覚えておきたい便利ワザを紹介します。

店舗に無料で電話をかけられる(10分まで)

LINE Outを利用する上で、ぜひ知っておきたいのがお店への無料通話です。LINE@加盟店など特定の飲食店や娯楽施設などへの通話が1回につき10分まで無料でかけられます。10分以内に電話を切れば、通話料金がかかりません。 無料通話ができる場合は電話番号を入力した際、「無料通話/LINE@加盟店」と表示されます。

検索窓から店舗名などを入力して検索 まず「ホーム」タブなどの検索窓からキーワード/店舗名でお店を検索します。

[LINE Out]を選択し、「無料通話」と表示されていることを確認 店舗の詳細ページで電話番号をタップし、[LINE Out]を押します。「無料通話」と表示されているのを確認したら、発信ボタンをタップしましょう。

広告を見れば無料で発信できる「LINE Out Free」

左:[LINE Out Free]を選択した状態で電話番号を入力中:動画広告を視聴右:通話画面 LINE Outには、5〜30秒程度の動画広告を視聴すれば無料でLINE Outによる通話ができる「LINE Out Free」という機能もあります。携帯電話へは2分間、固定電話へは3分間(いずれも国内の場合)、1日5回まで発信可能です。 無料通話が終了する20秒前に「リンリン」という音で合図が鳴り、制限時間に達すると自動で通話が切断されます。それほど急ぎでなく、自宅や店舗などにちょっとした電話をかけたい時には活用できそうな機能です。 LINE Out Freeについては、以下の記事で詳しく解説しているので参照してください。

LINE Outのショートカットの作り方

左:iPhoneの場合右:Androidスマホの場合 LINE Outを頻繁に使うのであれば、ショートカット(アイコン)を作成してホーム画面に設置しておけば、ワンタップでLINE Outを起動できます。

「ホーム」タブの設定ボタン[]→[LINE Out]→[LINE Outのショートカットを作成]→[作成]とタップします。

左・中:iPhoneの場合右:Androidスマホの場合 iOS版LINEであれば共有ボタンから[ホーム画面に追加]→[追加]、Android版LINEであれば[自動的に追加]をタップすれば、ショートカットの作成は完了です。

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