iPhone 12シリーズが4機種登場しました。これらの製品には残念ながら充電器が付いていません。また、iPhone SE(第2世代)など従来のモデルも、充電器が付属しなくなっています(在庫の都合などで付属するケースもあると思われますが、確認したほうがよいでしょう)。 このため新しいiPhoneの充電器は、別途購入するか、すでに使っているものを利用する必要があります。せっかく新しいiPhoneを手に入れたのですから、急速充電ができる充電器もおすすめです。 アップル製の充電器をはじめ、市販の充電器でも急速充電できるモデルや、ワイヤレスの製品が登場しています。本記事では、これら新しいiPhoneにおすすめの充電器を紹介します。

iPhoneだけで使うなら20Wの充電器がベスト

iPhoneへの急速充電は、「20W以上のアダプタを使えば30分で最大50%充電」とされています。つまり、20Wの充電器を使えば急速充電ができるわけです。 ここで注意したいのが、20W以上の充電器でも急速充電は可能だとはいえ、30Wや45Wの充電器を使えばより速い急速充電ができるわけではないという点です。 20Wの充電器と同じ速度で充電できるので、使って困ることはありません。しかし、出力の大きな充電器ほど価格も高くサイズも大きくなるため、オーバースペックの製品をあえて選ぶ必要はないでしょう。 なおiPadは、30W以上の充電器がベストと言われています。パソコンも、45W以上の充電器を使うケースが少なくありません。他の機器とも併用するなら、30W以上の充電器を買うのも悪くない選択です。

上は20W、真ん中は30Wの充電器で大きさがずいぶん違う。下の左は65W、右はアップル純正の20Wの充電器

ケーブルも専用品が必要になる

iPhoneのケーブルは、これまでUSB-A×Lightningを使っていた人が多いでしょう。つまり、従来から利用していたサイズの大きなUSB端子で充電器につないでいたわけです。 20Wの充電器を用意してiPhoneに急速充電をするためには、専用のケーブルが必要になります。iPhone 12には、この急速充電に対応するUSB-C×Lightningケーブルが付属するので、それを使えば市販の充電器でも急速充電が可能です。

右はiPhone 12に付属のケーブル。左はAnker製のケーブルでMFi認証されている 市販のケーブルにも、USB-C×Lightningタイプが数多く販売されはじめています。市販品を選ぶ際に気をつけたいのが、アップルが認証しているケーブルを選ぶことです。 アップルの認証がないとOSのアップデートで使えなくなったり、そもそも急速充電ができなかったりする可能性もあるのです。アップルの認証は「MFi認証」と呼ばれます。

iPhone 12シリーズにおすすめの急速充電器

それでは、具体的におすすめの充電器を紹介していきましょう。20Wと30Wの製品を紹介します。前述のように、iPhoneだけで使うなら20Wがおすすめです。iPadなどとも併用するなら、30Wも検討するとよいでしょう。

20W対応「Anker PowerPort III Nano」

大ベストセラーになっているAnkerの超小型充電器です。昔のiPhoneに付いていた充電器と同様のサイズながら、20Wの充電が可能です。価格も手ごろなので、いま爆発的に売れています。

超コンパクトなモデルだが、コンセント部分は折りたためない

iPhoneに充電している際も小ささがわかる

重量も約30グラム程度と軽い

30W対応「RAVPower USB-C 急速充電器」

30Wの充電器ですが、窒化ガリウムを採用しておりとてもコンパクトです。コンセント部分が折りたためるモデルなので、カバンに入れても他の物を傷つけることがありません。本体カラーは黒と白が用意されています。

小さな30Wの充電器。こちらもベストセーラーだ

20Wのモデルほどではないが、かなりコンパクトで使いやすい

重量は約60グラムだが、荷物としては軽い

30W対応「Anker PowerPort Atom PD 1/III mini」

Ankerのコンパクトな30Wモデルを2つ紹介します。 Anker PowerPort Atom PD 1は、ゴルフボール程度の大きさでコンパクトです。Anker PowerPort III miniは若干大きくなりますが、コンセント部分が折りたためて少し割安です。どちらを選んでも性能は変わりません。サイズやデザインの好み、予算でチョイスしてください。

Ankerの30W充電器はサイズとコンセントの折りたたみが違い

アップル純正の充電器

アップル純正の充電器も販売されています。「20W USB-C電源アダプタ」がおすすめで、価格は2000円程度です。Ankerの20Wと較べるとサイズが大きく、価格も高くなるのが残念です。

アップル純正の20W充電器は2000円程度

サイズは20Wとしては大きめ

重量も30Wのモデルと同じくらいだ

iPhone 12シリーズ対応のワイヤレス充電器

最近のiPhoneは、ワイヤレス充電に対応しています。市販の充電パッドを使うと、7.5Wでの充電が可能です。ただし、充電パッドがiPhone向きで7.5Wの出力に対応している必要があります。一般的なQi対応充電パッドでは5Wの充電になるはずです。どちらにしろ、充電速度はあまり早くありません。 iPhone 12シリーズが対応するMagSafe対応のワイヤレス充電パッドは、15Wの充電に対応しています。ワイヤレスとしては急速充電と言えます。iPhone 12シリーズのユーザーには純正の充電器がおすすめです。 なお、MagSafe対応のワイヤレス充電パッドを使うには、別途20W以上の出力の充電器が必要になります。つまり、ワイヤレス充電パッドに加え、充電器も購入する必要がある点には気をつけてください。

アップル純正のMagSafe対応ワイヤレス充電パッドは4500円。20W以上の充電器が必要になる

Ankerのワイヤレス充電パッド。こちらは7.5Wでしか充電できない

iPhone 12 Pro Maxに充電している様子。磁石で付いているので利用しながら充電可能だ

まとめ

iPhone 12シリーズには充電器が付属しなくなり、残念に思う声が少なくありません。ただし、そのぶん本体の価格を抑えたと考えれば妥当ではないでしょうか。自分で好きな充電器を選べるので、前向きに考えて選択を楽しみたいところです。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部