今回のイベントは、Dolphin Browserの日本語版アプリリリースおよび日本語サイトがオープンしたことに伴って、開発元のMoboTap社CEOらがサンフランシスコから来日し、簡単なデモンストレーション・質疑応答が行われたものだ。
「良いスマホ向けブラウザが無かった」
すでに世界1000万ダウンロードを達成し、今年7月にはSequoia Capitalなどから1000万ドルの投資を受け成長著しいMoboTapだが、Dolphin Browserをリリースしたのはたった2年前(2009年10月)。 当時、Androidの自由さに魅力を感じたYongzhi Yang氏(現CEO)が、既存のスマートフォン向けブラウザに満足できなかったことが開発のきっかけとなった。 「モバイルにおけるWeb体験をシンプルにしたいんだ」と穏やかに語るYang氏。その理念のために、まずDolphinをタブブラウザとして開発し、ブラウザアプリとして世界初となる魅力的な機能(ジェスチャー・アドオン・Webzine)を実装してきたということだ(参考記事:Dolphin Browser HDの使い方)。
よく使うジェスチャーはこれだ!
デモンストレーションと質疑応答のあと、立食形式で歓談する時間がもうけられた。そこで折角の機会なので、CEO・スタッフの皆さん自身がよく使うジェスチャー機能を教えて頂いた。開発者だからこその独特の使い方があるのだろうか、それとも逆にシンプルに使いこなしているのだろうか。
Yongzhi Yang氏(CEO)
会社のメインバンクにしている銀行webサイトへの移動にジェスチャーを利用。やはり、経営者だけあって銀行口座は気にせざるを得ないのだろう。 「每日チェックしてるよ(笑)」とのこと。
Taek Chung氏(ゼネラル・マネージャー)
日本語を話すことのできる気さくなTaek氏は、ジェスチャーを開発グループとコミュニケーションを取るためのグループウェアツールへの移動に利用。ジェスチャー機能はこの用途のみに利用しているという位に頻繁に使っているとのこと。 シンプルに使う一例と言えそうだ。
Edith Yeung氏(マーケティング責任者)
Edith氏は、実はデフォルトで用意されているジェスチャーを変更せずに利用していることが取材中に発覚。 「いやいや、そんなはずは…」と言うEdith氏は、ジェスチャーを登録していることを主張していたが、デフォルトジェスチャーを確認してみると、たしかにEdith氏のジェスチャーはデフォルトと同じだった。 そこで、試しにアプリオをジェスチャー登録してもらうことに。サクサクと手際よく登録するEdith氏を見ていると、主張は正しかったのかもしれない。
Dolphin Browserのこれから
質疑応答や歓談タイムでは、APIの公開の可能性や日本のメディア等のwebzineへの登録なども語られた。Dolphinを軸に新しいサービスが生まれる可能性もあると言えるだろう。 また、先日から話題となっていたWebzine機能を利用するためのユーザ情報取得問題に関しては、改めて不適切な利用はなされなかったことの説明がなされた。近年、ユーザ情報の取得とプライバシー保護との関係は、Dolphinに限らず様々なアプリ・端末・webサービスなどで問題視されている。業界全体の課題として、今後も注視していく必要がありそうだ。