Android版LINEには、トーク履歴データをGoogleドライブに一括バックアップできる機能があります。スマホの機種変更時には、すべてのLINEトークをバックアップ後、新端末(Android)に引き継いで復元することが可能です。 本記事では、AndroidスマホでGoogleドライブを使ってLINEのトーク履歴をバックアップ・復元する手順を詳しく解説します。

Androidスマホにおけるトーク履歴バックアップと復元の注意点

事前にいくつか知っておきたい注意点があるので目を通しておきましょう。

トーク履歴のバックアップにはGoogleドライブを使う

LINEのトーク履歴バックアップには、「Googleドライブ」を利用します。Googleが提供するオンラインストレージサービスで、写真や動画、ファイルなどを無料で15GBまでアップロードできます。 Googleドライブは、Googleアカウントを持っているユーザーなら、誰でも無料で使えるサービスです(Googleドライブアプリのインストールなども必要ありません)。 Androidスマホを利用している場合、通常はGoogleアカウントがすでにスマホに登録されているはず。そのため、特別な作業などを必要とせず、すぐにバックアップを実行できるでしょう。

Googleドライブの無料容量はGoogleフォト/Gmailと合わせて15GBまで

左:Googleドライブアプリをひらき、TOP画面左上のメニューボタン[]から「ストレージ容量の〇〇%を使用中」をタップ右:空き容量をチェックできる トーク履歴の保存先となる「Googleドライブ」は、無料会員のままでも15GBと十分な容量が利用できます。 しかし、この15GBは「Gmail」「Googleフォト」と共同で使わなければならない点に注意が必要。たとえばGmail、Googleフォトですでに13GB保存している場合、Googleドライブの空き容量は2GBとなってしまうのです。 GmailやGoogleフォトを日常的に使用している人は、気づかないうちに容量がいっぱいになっている可能性があります。定期的に空き容量をチェックして、不要なデータなどは削除しておきましょう。

トークルームの写真・動画は別途LINE Keepかアルバムに保存しておく

左:保存したい画像・動画を長押しして、表示されたメニューの中から[Keep]を選択右:Keepに保存する画像にチェックを入れて保存ボタンをタップ Googleドライブでのバックアップに限った話ではありませんが、トークルーム内で共有(送信)されているだけの写真や動画は引き継ぎの際に復元されず、消えてしまうおそれがあります。 大切な写真・動画は、あらかじめLINE Keepかアルバムに保存しておくとよいでしょう。

バックアップしたトーク履歴はいつでも復元できる

Android版LINEでは、アカウント引き継ぎ中に限らず、いつでもバックアップしたトーク履歴を復元できます。後述する自動バックアップ設定にしておけば、誤って削除してしまったメッセージなども元通りに復活できるため、重宝するでしょう。 LINEアプリの「ホーム」タブ画面で設定ボタン[]から[トーク]→[トーク履歴のバックアップ・復元]と進み、バックアップ時と同じGoogleアカウントを指定して復元するをタップすれば、バックアップしたトーク履歴を任意のタイミングで復元できます。

AndroidスマホからiPhoneにはLINEトーク履歴を引き継げない

Androidスマホ⇄iPhoneといったように、異なるOS間での機種変更では引き継げないデータがあります。トーク履歴もその一つです。

トーク履歴の復元画面で注書表示される LINEのトーク履歴のバックアップ・復元は、Android版LINEではGoogleの「Googleドライブ」を使いますが、iOS版LINEではAppleの「iCloud」を利用します。それぞれのOSで利用しているデータ保存サービスが異なるため、「Googleドライブ」に保存したトーク履歴のデータを「iCloud」を使って復元することはできないのです(逆もしかり)。 また異なるOS間で機種変更をすると、トーク履歴だけでなく以下のデータも引き継げなくなります。 この点、苦肉の策ですが、絶対に残しておきたいトークはテキストファイルやトークスクショといった形で残しておくことは可能です。詳しい方法は、以下の記事を参照してください。

Android版LINEでトーク履歴をバックアップする方法

ここからは、実際にGoogleドライブを使ってLINEのトーク履歴をバックアップする手順を紹介します。自動バックアップ設定にしておくと、スマホの故障/紛失時にも安心でしょう。

手動でトーク履歴をバックアップする手順

まずは、基本となる手動でのバックアップ手順を紹介します。

1自宅のWi-Fiなど安定したネットワークに接続する

トーク履歴をバックアップするには、インターネット環境(モバイルデータ通信もしくはWi-Fi)が必須です。 通信が不安定だったり、通信制限を受けていたりするとバックアップが「完了しない」「いつまでも準備中が続く」といったエラーが発生する可能性があります。バックアップは通信量が大きくなるケースもあるので、基本的には自宅のWi-Fiなどの通信状態が安定した環境で実行するのがおすすめです。

2バックアップ先であるGoogleドライブ(Googleアカウント)を設定する

続いて、トーク履歴のバックアップ先であるGoogleドライブ(Googleアカウント)を設定します。 LINEの「ホーム」タブから設定ボタン[]をタップし、[トーク]→[トーク履歴のバックアップ・復元]の順にタップします。

[Googleアカウント]をタップするとAndroidスマホに登録してあるGoogleアカウント(Gmailアドレス)が表示されるので、新端末でも引き続き利用するGoogleアカウントを選択し[OK]を押して進んでください。

なお、表示されていないアカウントにバックアップを取りたい場合は[アカウントを追加]へ進みます。既存のGmailアドレスを入力するか、新規で作成したい場合は左下の[アカウント作成]をタップし、案内に従って登録を進めましょう。 バックアップに利用するGoogleアカウントを選択後、LINEによる情報利用のリクエストが表示されたら[許可]を選択してください。

3「Googleドライブにバックアップする」をタップ

Googleアカウントが設定されたら、「Googleアカウント」の項目の下にGmailアドレスが表示されます。 あとは、[Googleドライブにバックアップする]をタップすればバックアップ完了。バックアップが正常におこなわれた場合、「前回のバックアップ」の項目に当日の日付と時間が記載されているはずです。

自動でトーク履歴をバックアップする手順

スマホの紛失や故障に備えて、バックアップはこまめにおこなうことが重要です。しかし、手作業によるバックアップはどうしても忘れがちになってしまうでしょう。 そこで、便利なのがトーク履歴の「自動バックアップ」設定です。最初にバックアップスケジュールを設定しておくだけで、以後は自動的にトーク履歴が保存できます。

「ホーム」タブの「設定」ボタンから[トーク]→[トーク履歴のバックアップ・復元]の順にタップ。バージョン10.10.0以上なら「自動バックアップ」ボタンが表示されているはずなので、これを押します。 「自動バックアップ」にチェックが入っていることを確認した上で、[バックアップ頻度]をタップしましょう。なおAndroid版LINEでは、モバイルデータ通信を利用して自動バックアップを実行する設定が用意されています。長期間Wi-Fiに接続できない場合などは、チェックを入れておくといいでしょう。

トーク履歴の自動バックアップが実行される頻度を選択しましょう。これでトーク履歴の自動バックアップ設定は完了です。 自動バックアップの更新は、開始時に以下の条件をすべて満たしている場合におこなわれます。就寝前の充電中、自宅のWi-Fiにつないでいるときに自動バックアップされる、といったイメージです。

トーク履歴とLINEアカウントを引き継ぎ、新Androidスマホで復元する手順

ここからは、機種変更時にLINEアカウントおよびトーク履歴を新端末に引き継ぐ手順を解説します。本記事で紹介するのは、機種変更後に同じ電話番号を引き続き使う場合の引き継ぎ方法です。 機種変更によって電話番号が変わるケースや、Facebookアカウントを連携して使っているケースでは、必要な準備や復元手順が異なります。下記記事を参考に、自身の引き継ぎパターンを確認してください。

機種変更「前」に旧端末で必要な操作

機種変更の前後でやるべき主な引き継ぎ作業は以下の通り。難しい作業はないので、一つひとつ確実におこないましょう。

1LINEアプリを最新版にアップデートする

事前準備として、「LINE」アプリを最新版にアップデートしてください(古いバージョンでバックアップしたデータは、機種変更後に復元できなくなる可能性があります)。 Androidスマホでアプリをアップデートするには「Google Playストア」アプリを開きます。

画面左上にあるメニューボタン[]から、「マイアプリ&ゲーム」を選択します。 LINEアプリのアップデートがリリースされていれば、「アップデート保留中」の欄に表示されます。LINEの横にある[更新]ボタンをタップしましょう。

2LINEに登録している電話番号・パスワード・メールアドレスを確認する

左:「ホーム」タブの設定ボタン[]→[アカウント]の順にタップ右:電話番号・メールアドレス・パスワードを確認する 原則として、電話番号認証とパスワード入力だけでLINEアカウントを引き継げます。ただし、パスワード未登録のまま引き継ぎをおこなうと、手間がかかるだけでなく、引き継ぎができなくなる可能性があります。 電話番号・パスワード・メールアドレス(念のため)を登録しているかどうか、機種変更前にしっかり確認しておきましょう。パスワードの記憶があいまいであれば、再登録して正確なパスワードを把握しておくと安心です。

3トーク履歴のバックアップを最新にする

トーク履歴のバックアップ方法は前述したのでここでは手順を割愛しますが、引き継ぎ前には必ず最新のトーク履歴をバックアップしてください。

4アカウント引き継ぎ設定をオンにする

左:「ホーム」タブで設定ボタン[]→[アカウント引き継ぎ]と進む右:「アカウントを引き継ぐ」の項目をオンにする 機種変更によって電話番号が変わる場合、またFacebook連携による引き継ぎをする場合は、不正ログイン防止のため「アカウント引き継ぎ設定」を有効にしておかなければなりません。 ただ、オンにした状態ではアカウント乗っ取りの危険性を高めるため、必ず引き継ぎの当日におこなってください。

機種変更「後」に新端末で必要な操作

新しいAndroidスマホを操作してLINEアカウントを引き継ぎ、トーク履歴を復元させましょう。

1旧端末と同じGoogleアカウントで新端末にログインしておく

バックアップだけでなく、トーク履歴の復元にも、Googleアカウントでログインする「Googleドライブ」を利用します。LINEアプリの引き継ぎ操作をする前に、バックアップしたと同じGoogleアカウントで新端末にログインしておきましょう。

2LINEアプリをインストールして起動する

新しいスマホにLINEアプリをインストールして起動します。「LINEへようこそ」の画面が表示されるので、[ログイン]をタップしてください。

3ログイン方法を選択

Android版LINEでは「電話番号ログイン」か「Facebookログイン」かを選択できます。基本的には、[電話番号でログイン]を選択すればOKです。 事前にFacebook連携をしていた場合は、以下の項目を参考にしながらそれぞれログインを進めてください。

4電話番号認証を済ませる

電話番号認証は、(1)端末の電話番号入力、(2)SMSや音声通話で6桁の認証番号を受け取り、(3)その番号をLINEアプリに入力する、という手順を踏みます。 なお、SMS・通話機能を利用できないデータ通信専用の格安SIM/スマホに機種変更する場合は、以下の項目を参考にして引き継ぎを進めてください。

5パスワードを入力してログインする

電話番号認証が正しくおこなわれると、「おかえりなさい○○!」と、登録した電話番号に紐付いたアカウント名が表示されます。 自分の情報で間違いなければ、[はい、私のアカウントです]を選んで進みます。

次の画面でパスワードの入力が求められるので、登録してあるパスワードを入力し[→]ボタンをタップ。 これで、新しい端末で自分のLINEアカウントにログインができます。もしパスワードを忘れなどが原因でログインできない場合は、以下の項目を参考に対処してください。

6トーク履歴を復元する

ここからは、バックアップしたトーク履歴の復元作業に入ります。

「トーク履歴はバックアップ済みですか?」と表示されるので、[はい、トーク履歴を復元します]をタップしてください。 先に述べたように、Android版LINEはトーク履歴をいつでも復元できる仕様です。新端末での引き継ぎ作業を完了させた後に、設定からトーク履歴を復元させてもよいでしょう。

「トーク履歴を復元しますか?」という確認ポップアップが表示されます。トーク履歴のバックアップが確実に取れているなら[続行]を押しましょう。 メッセージにあるように、[続行]を押した時点でLINEアカウントは新しい端末に引き継ぎ済み(ログイン完了)という扱いになり、以前使っていた端末のLINEアプリが初期化されます。 万が一、トーク履歴のバックアップを取り忘れていた場合は、[続行]を押す前に必ず旧端末でLINEアプリを起動してバックアップをとってください。

再度「トーク履歴を復元」の画面が表示されます。[Googleアカウントを選択]をタップし、バックアップをとったGoogleアカウントを選択します。 このとき、連絡先へのアクセス許可、およびLINEによるGoogleドライブへのアクセス許可を求められたら、[許可]をタップしてください。「許可しない」を選択してしまうと復元ができません。

バックアップが正常におこなわれていれば、[前回のバックアップ:]の項目に当日の日付と時間が記載されているはずです。確認できたら、[トーク履歴を復元]をタップしましょう。これで、新端末へのトーク履歴の引き継ぎは完了です。

7友だち追加設定をおこなう

続いて、「友だち追加設定」のオン・オフを設定します。とりあえず、デフォルトの「オフ」のままにしておくのが無難です(後からオンにする設定も可能です)。 というのも、「友だち追加設定」や「友だちへの追加を許可」の項目をオンにすると、スマホのアドレス帳に登録してある電話番号とLINEが紐付きます。結果として、会社の上司や元カレ元カノなど繋がりたくない人が友だち追加されてしまう可能性があるからです。

8必要に応じて年齢確認をする

年齢確認は、LINE IDによる友だち検索・追加やLINEミーティング(URLによるビデオ通話)をおこなう際に必要なものです。 普段からLINE IDやLINEミーティングを活用している人は、指示に従って年齢確認をおこなってください。引き継ぎ完了後にも設定できるので、先を急ぎたければ後回しにしても大丈夫です。 なお、年齢確認ができるのは、NTTドコモ・au・ソフトバンクとワイモバイル、LINEモバイルのみです。基本的に格安SIMユーザーは年齢確認をできません。

9スタンプ・絵文字・着せ替えを再ダウンロードする

ここまでの手順で、トーク履歴や友だちリストなどほとんどのデータは復元されます。しかし、スタンプや絵文字、着せかえに限っては別途ダウンロードする必要があるので注意が必要です。 「ホーム」タブの設定ボタン[]→[スタンプ]→[マイスタンプ]に進むと、以前のスマホで購入したスタンプを再ダウンロードできます。 着せかえもスタンプと同様に、「ホーム」タブの設定ボタン[]→[着せかえ]→[マイ着せかえ]の順にタップして再ダウンロードしてください。

10通知音・着信音を再設定する

旧スマホでの通知設定は、新スマホに引き継がれません。「ホーム」タブの設定ボタン[]から[通知]と進み、通知のさまざまな設定を変更しましょう。 特定のトークの通知オン・オフ切り替えや通知音の変更など、細かい設定方法は以下を参照ください。

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